富士通、遠隔地からのファイルアクセスを高速化するデータ転送技術を開発

2015年6月22日 19:15

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ファイル共有システムによるファイルダウンロードの概要(写真:富士通発表資料より)

ファイル共有システムによるファイルダウンロードの概要(写真:富士通発表資料より)[写真拡大]

 富士通は22日、遠隔地からファイル共有サーバを利用するときのファイルアクセスをソフトウェアで高速化できるデータ転送高速化技術を開発した発表した。

 従来、企業がファイル共有サーバを利用する場合は、拠点ごとにサーバを設置することが一般的だったが、情報の一括管理によるセキュリティの向上や運用コスト低減のため、遠隔地からファイル共有サーバへアクセスする機会が増えている。一方で、ファイル共有システムで広く利用されているCIFSやSMBといった通信プロトコルでは、ネットワーク遅延の影響で遠隔地からのファイルアクセスに時間がかかるという課題があり、高速化が求められていた。

 今回、開発された技術は、遠隔ネットワーク上で複数のファイル名、ファイルサイズなどの情報取得で発生する通信回数を大幅に減らし、ネットワーク遅延の影響を低減する技術である。

 同社の社内実験で1KBのファイル100個を含むフォルダーの一括ダウンロードを行い、容量の小さな多数のファイル転送を最大で10倍高速化できることが確認されたという。さらに、昨年同社が発表した重複除去技術の効果を向上させるヘッダーの分離技術により、10MBの大容量ファイルの転送時でも最大で従来の20倍高速化できることが確認されたという。

 今回開発された技術が実装されたソフトウェアをサーバとクライアントにインストールするだけで、既存のファイル共有システムのファイルアクセスを高速化できる。今後、今回開発された技術は、同社での社内実証を経て、本年度中にデータ収集・統合ソフトウェア製品に転送高速化機能として搭載が予定されている。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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