犯罪被害者の相談窓口、90%の自治体が設置

2015年6月16日 11:20

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記事提供元:エコノミックニュース

 12日、内閣府が「2015年版犯罪被害者白書」を閣議決定した。それによれば、犯罪被害者の相談を受ける対応窓口が全国の90%の市区町村に設置されていることがわかった。しかしその一方で、対応窓口を設けていない自治体は、4月1日の時点で19道府県に計172あり、内閣府は引き続き都道府県を通じて設置を要請するとしている。

 28の都府県がすべての市区町村に対応窓口を設置している一方で、50%程度の市区町村にしか設置していない県などもあり、それぞれの都道府県で対応にかなりの違いがある現状が浮き彫りとなった。今回、内閣府が発表した「2015年版犯罪被害者白書」によれば、4月1日時点で対応窓口が設置されていたのは、全国の市区町村1741のうち、1569市区町村で、全体の90%にあたる。去年の同時期は81%であった。都道府県別に比較してみると、市区町村での対応窓口設置率が最も低かったのは岐阜県で、52%という結果であった。その次に低かったのは福岡県で55%、その後に茨城県の64%、長野県の65%、山梨県の67%が続いた。対応窓口の設置率が著しく高まったのは香川県で、去年の設置率は41%であったが、今回の調査では94%にまで高まった。

 また今回の「2015年版犯罪被害者白書」では、犯罪被害者の相談を受ける対応窓口の設置が都道府県でまちまちであるだけでなく、見舞金や貸付金の制度導入が進んでいない現状も明らかになった。見舞金制度の導入は都道府県がゼロ、政令指定都市は京都市と神戸市、そのほかの市区町村は101のみで、都道府県も含めた全自治体では5.8%程度の導入にとどまっている。貸付金については山形県、神奈川県と7市区町村だけで導入されており、全体の0.5%にとどまっている。

 対応窓口は05年に施行された「犯罪被害者基本法」に基づいて設置され、相談者と支援団体との橋渡しを行っている。内閣府はそれぞれの自治体に温度差があるとして、窓口の設置や見舞金・貸付金の制度導入を働きかけていきたいとしている。(編集担当:滝川幸平)

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