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砂川判決の高村氏の解釈に当時の弁護団が反論
自民党はHPで11日に衆院憲法審査会で高村正彦副総裁が、安保法案が合憲であるとした「根拠を明確に示した」として、その発言要旨を紹介した。
以下はその内容。「憲法の番人は、最高裁判所であって、憲法学者ではない。憲法の番人である最高裁判所は、(1)わが国が、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことと認め、しかも、(2)必要な自衛の措置のうち、個別的自衛権、集団的自衛権の区別をしておらず、集団的自衛権の行使は認められないなどとは言っていない。さらに、(3)我が国の存立の基礎に極めて重大な関係を持つ高度の政治性を有するものについては、一見極めて明白に違憲無効でない限り、内閣及び国会の判断に従う、と明確な判決を下している。」としている。
続けて「最高裁が示した法理に従って、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、自衛のための必要な措置が何であるかについて考え抜く責務は、学者でなく、政治家だ。平和安全法制は、安全保障環境の大きな変化を踏まえて、最高裁判決の法理のもとに、これまでの憲法解釈との論理的整合性と法的安定性に十分留意して、従来の政府見解における憲法九条の解釈の基本的な論理、法理の枠内で、合理的な当てはめの帰結を導いたもの。合理的な解釈の限界を超えるような便宜的、意図的憲法解釈の変更ではなく、違憲であるという批判は全く当たらない」とした。
しかし、高村副総裁が最高裁砂川判決を根拠にしていることには、マスコミ各社の報道によると、砂川裁判の最高裁審理に加わった当時の弁護団が12日記者会見し「判決は集団的自衛権行使に触れるところはまったくない」と指摘。「安保法案を一刻も早く撤回すべき」と求めたとしている。
このうち、東京新聞は電子メディア版で会見のひとり、内藤功弁護士の発言を紹介した。内藤弁護士は「集団的自衛権の言葉はなく、法律論としても構成していない。集団的自衛権を容認すると読める余地はない。『集団的自衛権の行使は許されない』と結論づけた一九七二年の政府見解は、砂川判決も十分精査した結果だ」と述べたとしている。(編集担当:森高龍二)
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・素人が一生懸命反論しているのは非常に見苦しい 枝野幹事長
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・問われる集団的自衛権 安保法案は違憲
・安保法案 憲法違反は明々白々
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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