NYの視点:米4月JOLT求人統計開始来で最高も利上げ見通しに変更なし

2015年6月10日 07:05

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記事提供元:フィスコ


*07:05JST NYの視点:米4月JOLT求人統計開始来で最高も利上げ見通しに変更なし

米労働省が発表したJOLT求人件数の最新4月分は537.6万件と、市場予想の504.4万件を上回り統計が開始された2000年12月以降ほぼ15年ぶりの高水準を記録した。3月分も499.4万件から510.9万件へ上方修正された。結果は米労働省が先週末発表した5月雇用統計の内容と一致する良好なものとなり米国の雇用の改善を示した。米国の労働市場のたるみの状況を見極める上でイエレンFRB議長はこの指標に注目している。

4月の採用率(Hires rate)は3.5%と、3月3.6%から低下し危機前の水準である3.8%をまだ下回ったななだ。解雇率(Layoffs/discharges rate)は1.3%と小動きで危機前の水準 1.4%を下回る水準を維持した。退職率(Quits rate)は1.9%と、3月の2.0%から逆に低下した。危機前の水準である2.1%も下回ったまま。労働者の雇用市場への自信を表すとして、イエレンFRB議長は特に退職率に注目している。

米国の労働市場は引き続き緩やかなペースでの回復にとどまり、利上げ見通しを大幅に変える内容とはならなかった。金融先物市場では引き続き6月の利上げを見込んでいない。9月の利上げ確率は30%と、昨日の30.38%から幾分低下した。

○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善          危機前の水準と比較
5月雇用者数(Nonfarm payrolls):28万人(4月22.1万人)←16.18万人(上回る) 
4月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.3%(3月1.3%)←1.4%(下回る)
4月求人率(Job openings rate):3.7%(3月3.5%)←3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い
5月失業率(Unemployment rate):5.5%(4月5.4%)←5%(上回る)
4月退職率(Quits rate):1.9%(3月2.0%)←2.1%(下回る)
5月広義の失業率(U-6):10.8%(4月10.8%)←8.8%(上回る)
4月採用率(Hires rate):3.5%(3月3.6%)←3.8%(下回る)
5月長期失業率(15週以上):43.4%(4月42.1%、前年49.2%)←19.1%(上回る)
(27週以上):28.6%(4月29%、前年34.3%)
5月労働参加率:62.9%(4月62.8%)←66.1%(下回る)《NO》

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