NYの視点:国際債権者はギリシャに「最後通告」

2015年6月3日 07:00

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:国際債権者はギリシャに「最後通告」

ドイツのメルケル首相の主導により1日の晩からベルリンで開催された協議で、欧州の指導者達はギリシャに提示する「最後の申し出」の策定を目指した。この会合にはオランド仏大統領、ユンケル欧州委委員長、ラガルドIMF専務理事、ドラギECB総裁らが出席。債権者はギリシャ側からの独自の改革案の提示を待っていたが満足のいく策が提示されなかったため、債権者側からも案を提示することになった。会合の目的は、1)ギリシャが従うサンプルの改革案を提示することに加え、2)債権団の間にあった相違点を埋めることにあった。銀行救済基金も含まれ、この基金で国際通貨基金(IMF)への返済を履行し短期的な懸念を払拭することが可能となる。

債権団の間では年金や債務の持続性に関して意見が分かれていたようだが、今回の会合で欧州委員会(EC)と国際通貨基金(IMF)意見の相違がいくらか解消された模様。案が完了し次第、ギリシャに提示されることになる。3日には、両者が互いに提示した案を協議する予定。両者が相手側の案に合意するかまたは、合意に向けた妥協点を見つけ出していくことになる。期限は今週末に設けられているという。来週は技術的な協議を目指す。6月中に控えている合計約15億ユーロの支払いはあまり問題ではないが、7月、8月に控えている欧州中央銀行(ECB)への70億ユーロの返済が警戒されている。また、6月末には延長されていた現行救済プログラムも執行することになるが、依然流動的な状況で警戒感は拭いきれない。

ギリシャの6月支払予定
5日:3億ユーロ
12日:3.35億ユーロ
16日:5.58億ユーロ
19日:3.35億ユーロ《NO》

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