関連記事
NYの視点:エコノミストは米Q2GDP成長見通し引き上げ、良好な5月ISM&4月の建設支出で
*07:12JST NYの視点:エコノミストは米Q2GDP成長見通し引き上げ、良好な5月ISM&4月の建設支出で
米国商務省が発表した4月の個人所得は前月比0.4%増と、市場予想の0.3%増を上回り、3月の横ばいから伸びが拡大した。一方、4月の個人支出(PCE)は前月比横ばいと市場予想の0.2%増を下回り、3月の0.5%増から伸びが鈍化。マイナスとなった1月以来で最低の伸びとなった。所得の伸びにもかかわらず消費者は支出を控えている。米国経済の70%を占める消費の伸びの鈍化は経済の伸びを引き続き停滞させる可能性がある。貯蓄率は5.2%から5.6%へ上昇。ガソリン価格の下落で、経済を後押しする消費ではなく貯蓄に消費者が資金をむけていることが明白となった。
消費が滞る一方で、民間の米供給管理協会(ISM)が発表した全米の製造業の活動を示すISM製造業景況指数の5月分は52.8と、市場予想の52.0を上回り2月来で最高となった。米国商務省が発表した4月の建設支出も前月比2.2%増と、市場予想を大幅に上回り2012年5月来で最大の伸びを記録。米国経済にとり明るい材料となった。4月の建設支出が予想以上に改善したことはピークを迎える春先に住宅市場が期待通り順調に回復していることを示唆。米国の経済が1-3月期に警戒されたとおり前年に続きマイナス成長となったのち、4-6月期経済が期待通りに回復するとの見通しを裏付ける。市場エコノミストは4-6月期の国内総生産(GDP)見通しを0.1%引き上げ2.5%成長に修正した。
ただ、連邦準備制度理事会(FRB)が主要指標としているコアPCE価格指数の4月分は前年比で1.2%上昇と、予想外に3月から低下し昨年2月以降で最低にとどまった。連邦準備制度理事会(FRB)が利上げの条件としている「2%目標に向けて上昇する自信」が薄れた可能性がある。利上げの条件はまだ満たされていない。《NO》
スポンサードリンク