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(中国)1-4月自動車輸出は14%減、ロシア・ブラジル向けが低迷
*13:03JST (中国)1-4月自動車輸出は14%減、ロシア・ブラジル向けが低迷
中国の自動車輸出が低迷している。中国汽車工業協会のまとめによれば、今年1~4月の累計では、前年同期比14.6%減の24万5000台に落ち込んだ。4月単月では、前年同月比21.5%減の6万1600台にまで縮小。月次ベースで2014年以降の最大の下げを記録している。中国汽車報が5月29日付で伝えた。
乗用車・商用車ともにさえない。1~4月の輸出台数は、乗用車で20.7%減の13万6700台、商用車で5.5%減の10万8300台に低迷した。乗用車の車種別では、セダンが24%減の8万1000台、SUV(スポーツ多目的車)が19.2%減の3万8000台と不振が目立つ。SUVに関しては、好調な国内販売と対照的な結果となった。
足元の輸出低迷について業界関係者の間では、「主要輸出先のロシア、ブラジルの落ち込みが響いた」との見方が大勢。政治・経済情勢の不安定を背景に、ロシアは自動車市場が急激に失速。奇瑞汽車、江淮汽車、吉利汽車、力帆汽車など中国自主ブランド車メーカーが軒並みロシア向けの販売を落とした。ブラジルも景気低迷による消費力の低下が、同国の自動車市場を直撃。中国メーカーの同国向け販売が停滞している。
また中国汽車工業協会の師建華・副秘書長(副事務局長)は、「元高に加えて、円やウォンなどの競争国通貨の下落が中国車の価格を相対的に押し上げた」と指摘。中国車の世界価格競争力や販売規模を大きく削いでいると現状を憂慮した。
今年通年の自動車輸出についても、悲観が総体的に多い。中国汽車工業協会は、前年比5%減の86万台にとどまると予想した(乗用車が4%減の51万台、商用車が5%減の35万台)。また、全国乗用車市場信息聯席会の崔東樹・秘書長(事務局長)も、人民元高や世界経済の低迷を背景に、今年の中国自動車輸出は前年を下回るとみている。ただ「それほど大きな落ち込みとはならない」として、「市場規模は90万台レベルを維持する」と補足した。
こうしたなか、新たな開拓先として期待されるのが、中国の新外交戦略「一帯一路」の沿線国。崔秘書長は、「今年の自動車輸出の最大の焦点は、東アジア・南アジア・西アジアだ」と言い切った。
【亜州IR】《ZN》
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