(中国)安価な「義歯」が10-20倍の値に、歯科クリニックの暴利

2015年5月27日 08:43

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記事提供元:フィスコ


*08:43JST (中国)安価な「義歯」が10-20倍の値に、歯科クリニックの暴利
衛生条件の極めて悪い違法操業の工場で造られた「義歯」が、歯科クリニックで、患
者へ高値で売りつけられている事実が報道され、人々の猜疑心が高まっている中国
で、インターネットメディア「南海網」が、歯科クリニックと義歯製造工場の関係を
独自に取材し、21日付けで伝えている。


「インプラント」の相談を理由に、同サイト記者が身分を明かさず敢行した、海南
省海口市で営業する歯科クリニックへの独自取材によると、訪れた歯科クリニックの
歯科医はいずれも、「インプラントは、チタンを埋め込む費用を含めて歯1本あたり
8000-1万3000人民元(約15万7000-25万5000円)の高額な費用がかかる。入れ歯は、
「金属床」に「樹脂製義歯」を組み合わせたタイプが1セットで1000人民元(約2万
円)前後、審美性・耐久性に優れる「ジルコニアセラミック義歯」を組み合わせた場
合でも同2000人民元(約3万9000円)強と安価にできるので、こちらを勧める」と、
持ちかけてきたという。
しかし、同記者が独自に入手したある義歯製造工場の「卸価格表」によれば、そ
れらの卸価格は、一般的な「金属床」と「樹脂製義歯」を組み合わせたタイプが100
人民元(2000円)未満、薄さと強度を兼ね備えた「コバルトクローム床」と「ジルコ
ニアセラミック義歯」を組み合わせたタイプでも100人民元ほどだ。高価な義歯にな
るほど、歯科クリニックの利益は膨らむ仕組みといえる。
こうした暴利ともみられる価格設定について、同省物価局は、「抜歯、義歯調整
などの医療行為には、当局が定めた適正価格がある。だが、義歯の本体価格にはそれ
がない。すべて市場原理によって決まる」と回答し、それが不当利益にあたらないこ
とを示唆した。とはいえ、流通の信頼性と、価格の透明性を求める消費者のニーズが
高まっていることには、変わりはないようだ。

【亜州IR】《ZN》

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