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帝人など、ビーコン信号を「面」で伝搬できるシート型ビーコンを開発
「ペーパービーコン」の仕組み(写真:帝人発表資料より)[写真拡大]
帝人とセルクロスは25日、タグキャストと共同で、スマートフォンやタブレットを置くことでネットワークへの接続を認証する世界初のシート型ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」を開発し、6月1日から販売開始すると発表した。
ビーコンとは、省電力型の近距離通信(Bluetooth LE)を使用して、1つ1つを識別するIDや位置情報を発信する無線素子である。このビーコンから発信される信号をスマートフォンのアプリが受信することで、GPSを受信できない地下などでも位置を特定し、ナビゲーションが可能になる。また、特定施設内でのクーポンやポイントの配布、口コミと来店回数をひもづけるなどの「来店証明」も可能になる。
今回、共同開発された「ペーパービーコン」は、帝人とセルクロスが開発した二次元通信シート「セルフォーム」とタグキャストのビーコン技術「TAGCAST」が組み合わされたシート型ビーコンである。
3次元空間に伝搬するビーコンの信号を2次元の「面」で伝搬することができ、Bluetooth LEを用いながら、交通系カードなどのNFC(近距離無線通信)のように使用できる。加えて、NFCのような「点」範囲の通信とは異なり、「面」で通信する「表面認証」という新たな技術の確立に成功した。
これにより、例えば、会議でテーブルごとに閲覧が可能な資料を制限したり、飲食店で店員を介することなく、スマートフォン上のアプリから直接、調理室に注文を届けると同時に決済を完了させるキャッシュオンデリバリー、および学校や塾の机に敷設し、出席確認と同時に宿題のチェックや、個々の習熟度に合わせた宿題をインストールしたりできるようになる。
初年度の出荷枚数としては1万枚を目指し、2019年度には売上20億円へと事業規模の拡大を図っていくという。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る)
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