(中国)アリババが並行輸入車参入、アフターマーケットに食指

2015年5月21日 13:17

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記事提供元:フィスコ


*13:18JST (中国)アリババが並行輸入車参入、アフターマーケットに食指
電子商取引(Eコマース)で中国最大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)がこのほど、並行輸入車事業に乗り出した。すでに自動車販売事業にも参入している。今月に設立したばかりの同社の自動車事業部は20日、傘下のB2C(企業と個人の取引)サイト「天猫(Tmall)」が海外輸入車を扱う専門ページ「車海淘」を開設し、運営を開始したと発表した。並行輸入車を扱う展示施設や企業と組んで、並行輸入車を購入した消費者に向けてアフターサービスを提供する。中国証券網が21日付で伝えた。
20日にはまた、中国(上海)自由貿易試験区(上海FTZ)で並行輸入を行うカーディーラー「上海自貿区高橋汽車交易市場」と提携協議を締結した。阿里巴巴の並行輸入車事業における初のパートナーとして、同ディーラーは今月末にも「車海淘」内に旗艦店を開設する。旗艦店の開業を足がかりに、双方は並行輸入車オーナー向けにアフターサービスを提供する計画だ。サイト上で予約を受け付け、各地のサービス拠点で修理や定期メンテナンスを行うといった「O2O」モデルを採用する。さらにアリババは、並行輸入車購入者向けのオートローンサービスを今年7月をめどに始める方向で調整中だ。
中国政府は、自動車並行輸入業務を支持するスタンス。今年2月に中国(上海)自由貿易試験区(上海FTZ)で自動車並行輸入を認める試験プログラムを始動させた。しかし上海FTZでの並行輸入車販売は、足元で難航。試験プログラムの対象として並行輸入を認められた区内カーディーラー17店で販売された並行輸入社は、3月末時点でわずか20台程度にとどまった。
「上海自貿区高橋汽車交易市場」の張敏・総経理は、「アリババのビッグデータマーケティングを活用すれば、潜在的な消費者群を的確に掘り起こすことが可能になる」と期待を語った。

【亜州IR】《ZN》

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