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東電、中部電、火力発電事業で共同新会社設立
燃料調達と火力発電事業で包括提携している東京電力<9501>と中部電力<9502>は15日、30日に共同事業会社「JERA(ジェラ)」を設立するとの発表を行った。東京電力と中部電力が50%ずつ出資して設立される。新会社の液化天然ガス(LNG)調達量は年間4000万トンで、世界最大規模になる見込み。また両社は2017年春ごろに、今の火力発電所についても新会社の下で統合するかどうか判断するとしている。新会社の社長には中部電力の垣見祐二専務執行役員が、会長には東京電力の内藤義博取締役が就任する。両社は電力自由化に伴い競争が激化することを見越し、燃料調達と火力発での事業統合により競争力を強化したい考えだ。
新会社の本社は東京都中央区に置かれ、まずは新規の燃料料調達や国内外の火力発電事業の新設事業を手がけ、10月1日をめどに燃料の輸送・取引事業を統合、そして16年夏には両社のそれぞれの燃料調達や海外発電事業を統合する予定だ。設立当初の従業員数は50人程度で、これを16年ごろには400人にまで増やしたいとしている。
16年4月の電力自由化を前に、両社は燃料調達と火力発電事業を統合させることで、競争力を高める。11年3月に発生した福島第1原発事故以来、国内の原発はすべて可動を停止している。そのため各電力会社は液化天然ガスなどの火力発電所をメイン活動させている。東京電力と中部電力の13年度の液化天然ガスの調達規模は合計で4000万トンであり、提携後は世界最大規模の買い手となり、大きな価格交渉力を発揮することとなる。
そして東京電力は新会社設立の発表に際して、「JERAの事業活動の展開を通じて、国際競争力ある電力・ガス等のエネルギー供給を安定的に行い、両社グループの企業価値を向上させる」とコメントしている。
新会社の名称である「JERA」は、「JAPAN(日本)」の頭文字と「ERA(時代)」を組み合わせた造語であり、両社は東アジアで最も安い調達価格を実現させ、世界的なエネルギー会社に成長させたいとの意欲を示している。(編集担当:滝川幸平)
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