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いよいよ本格化する再生医療ビジネス 富士フィルムが米iPSベンチャーを買収
富士フイルムホールディングス<4901>は3月30日、米国のiPS細胞の開発・製造会社Cellular Dynamics International, Inc.(CDI社)を買収することについて合意したと発表した。富士フイルムは、米国子会社を通じたこの公開買付けにより、CDI社の発行済普通株式の総数を約3億700万米ドルで取得する。
買収後、CDI社は、富士フイルムホールディングスの連結子会社として、米国ウィスコンシン州マディソンおよびカリフォルニア州ノバトにおいて事業を継続することを予定している。
CDI社は、2004年に設立され、2013年7月にNASDAQに上場したバイオベンチャー企業。iPS細胞を大量に安定生産する技術に強みを持っており、大手製薬企業や先端研究機関など多くのユーザーとの供給契約、開発受託契約を締結しているという。現在、創薬支援や細胞治療、幹細胞バンク向けのiPS細胞の開発・製造を行っており、すでに創薬支援向けでは、心筋や神経、肝臓など12種類の高品質なiPS細胞を安定的に提供している。
また、California Institute for Regenerative Medicine(CIRM)とのiPS疾患細胞バンクの樹立、免疫拒絶を起こしにくいHLAタイプを持ったドナーから作るcGMP準拠iPS細胞バンクの樹立、National Eye Institute(NEI)へのドライ型加齢黄斑変性症の臨床試験開始届を行うための前臨床試験用iPS細胞受託を進めるなど、米国でのiPS細胞供給ビジネスを積極的に展開している。
一方、富士フイルムは、これまで写真フィルムの研究開発・製造などで培ってきた技術やノウハウを活用して、再生医療に必要な、細胞増殖のための「足場」として、生体適合性に優れ、さまざまな形状に加工できるリコンビナントペプチド(RCP)を開発している。今回、CDI社買収を通じ、iPS細胞を使った創薬支援分野に参入する。
さらに、CDI社のiPS細胞関連技術・ノウハウと富士フイルムの高機能素材技術・エンジニアリング技術やJ-TECの品質マネージメントシステムとのシナジーを発揮させ、再生医療製品の開発加速、再生医療の事業領域の拡大を図るとともに、再生医療の産業化の推進を目指す方針だ。
いよいよiPS細胞を中心とした再生医療ビジネスが本格化する。iPS細胞は様々な病気や肉体損傷の治療に期待されているだけに、産業化が進み一日も早く身近なものになることを願う。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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