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核兵器の近代化は軍縮を後退させる?
taraiok 曰く、 Bulletin of the Atomic Scientists(原子力科学紀要)の編集者であるJohn Mecklin氏によれば、弾頭数の上では、核軍縮競争は終わったかもしれない。しかし、核兵器の近代化には弾みが付きつつあるという。そして、核兵器の近代化とともに、新たな核戦争の危機が迫っているとしている(FP、Slashdot)。
1960年代に開発されたB61核爆弾は、尾翼などを装備したB61-12型に更新されることで精密誘導が可能となった。これにより、周囲に対する被害の減少と、放射性物質の汚染範囲を減少させることができる。しかし、精度の向上と被害範囲の減少は、核兵器を紛争に利用する誘惑に駆られるのではないか、というリスクも出てくる。米国議会は1990年代に空軍が求めた精密誘導核兵器の導入を拒否したことがあるが、これは上記のような理由からだったという。
別の問題としては、非核保有国の忍耐が無くなってきていることだ。保有を宣告している5か国と実質的に所有しているイスラエルに加え、近年、インド、パキスタン、北朝鮮が核兵器所有国となった。核軍縮の流れとしては、来月、米ニューヨークで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議がある。こうした場で新しいタイプの核軍拡競争が世界中で展開されていることを公的に認識させる必要があるとしている。
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