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富士通研、変形自在で薄型軽量・電池交換不要なビーコンを開発
電池交換などのメンテナンスが不要で、球状や角、湾曲部にも設置可能な厚さ2.5ミリメートル、重さ3gの薄型軽量ビーコン(富士通研究所の発表資料より)[写真拡大]
富士通研究所は25日、電池交換などのメンテナンスが不要で、球状や角、湾曲部にも設置可能な厚さ2.5ミリメートル、重さ3gの薄型軽量ビーコン(自身の存在や位置を伝えるためにIDなどの情報を配信する装置)を開発したと発表した。
従来の電池交換が不要なビーコンは、起動時に必要な電力を確保するための制御回路として、電源ICや二次電池などの電源部品を必要としていた。これらの部品は、厚さや占有面積が大きいため、ビーコンは固くて大きく設置場所が限られていた。
今回、制御回路である電源監視を一時的に停止させる電源制御技術を開発。太陽電池による電力量でもビーコンを起動できるようになり、従来の場所を取る電源部品が不要で、小さく薄い部品の組み合わせで動作を可能とした。さらに、これを伸縮可能な薄膜シリコーンシートへ実装することで、柔軟性、薄膜性を失わず、ビーコンを曲げて設置することも可能にした。
新開発のビーコンは、薄く曲げられるので取り付け自由度が高く、かつ電池交換なく設置できる。そのため、スマートフォンやタブレットなどと連携して地下や屋内で人の居場所のエリア把握や機器のリアルタイムな場所検知を実現するとき、半年から一年の単位で必要だった電池交換作業の手間を削減できる。
また、柔軟性、薄膜性を持つため、天井と蛍光灯の隙間や電球の表面など、従来、設置が困難であった場所への取り付けも可能になる。今後、同研究所は、開発したビーコンの安定動作や連続稼働などの検証を実際の現場で行い、2016年度中の実用化を目指す。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る)
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