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NYの視点:賃金の上昇がFRBの利上げを強いる可能性
*07:04JST NYの視点:賃金の上昇がFRBの利上げを強いる可能性
米雇用統計の発表を控えて利上げ観測が再び強まった。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標のひとつとして注視している米コア個人消費支出(PCE)価格指数の直近1月分は前年比1.3%増と予想通り12月と同水準にとどまった。やはりFRBが注目している変動の激しい食料品・燃料を除いたコア消費者物価指数(CPI)の1月分も前月比0.2%増と、予想の0.1%増を上回り昨年10月来の高水準となった。コアPCEが安定し、米雇用統計でも市場の予想通り20万人超の雇用増加が確認できた場合、FRBが6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ開始を決定する可能性も強まりドル買い材料となる。
アナリストは賃金の上昇がFRBの利上げを強いる可能性を指摘している。1月の雇用統計で平均時給は前月比で0.5%増と、金融危機前2007年6月来で最大の伸びを記録。失業率はほぼ6年ぶりの低水準で、雇用市場の改善、ひっ迫に伴い賃金の上昇が具体化しつつある。ウォールマートやTJX社など米国の多くの小売が賃金の引き上げを相次いで発表。また、賃金の引き上げなどを含む新労働協約をめぐり石油精製所や西海岸の港湾でストライキが活発化したことも賃金が上昇する兆候だとの見方につながった。石油精製所のストライキは1980年以来で初めて。
米労働省がワシントンで6日に発表する2月の雇用統計で非農業部門雇用者数は23.5万人増と、1月の25.7万人増から伸びが鈍化するものの引き続き20万人超の雇用の増加が予想されている。失業率も1月の5.7%から5.6%へ低下予想。平均時給は前月比で0.2%増への伸びの鈍化が予想されている。FRB高官は米国の経済が失業率を低下させるに十分な勢いがあるとの見方を示している。《KO》
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