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NYの視点:イエレンFRB議長議会証言、利上げへのヒントなし
*07:04JST NYの視点:イエレンFRB議長議会証言、利上げへのヒントなし
イエレンFRB議長は上院銀行委員会での証言で、金融政策が引き続き指標次第であり利上げを急がない方針を再確認した。内容は1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で示されたものにほぼ一致。経済の評価で「景気の先行きに自信を持つ根拠が見られる」としたものの、労働市場の評価では賃金の伸びが低迷していることを理由に「さらに改善する余地がある」と見ている。また、インフレへの評価でも「短期的に低下」を予想している。利上げの時期も「時期尚早の利上げは景気や雇用の回復を弱体化させる可能性」「労働市場の回復を阻害するような行動はとりたくない」とし、経済やインフレで十分な自信が生まれるまで利上げを待つ慎重な姿勢を示した。
イエレンFRB議長の議会証言後、金融先物市場で最も利上げ確率が高かったのは10月で67%。証言前、8月の利上げ確率が最も高かった。本年の利上げに懐疑的な見方も浮上した。一方、議長の証言から特に強いメッセージはなく債券王の別名を持ち米運用業界のピムコから米運用大手ジャナス・キャピタル・グループに移籍したビル・グロス氏など、一部投資家の間では「イエレンFRB議長の証言が6月の利上げを示唆している」との見解も根強い。
■イエレンFRB議長上院銀行委員会証言のポイント
1)利上げの条件:「利上げは経済やインフレへの自信を意味する」「利上げにはインフレが2%近くに上昇するとの自信が必要」「利上げは景気への信頼のサインとなる」「経済の回復は顕著だが、利上げ水準には達していない」「時期尚早の利上げは景気や雇用の回復を弱体化させる可能性」「労働市場の回復を阻害するような行動はとりたくない」「近々の利上げは正当化されない可能性」
2)景気:「景気の先行きに自信を持つ根拠が見られる」「国内総生産(GDP)は失業率を低下させるに十分強い」
3)雇用:「賃金の伸びはあまり回復していない」「低調な賃金の伸びは労働市場に改善の余地があることを示唆」「労働市場は完全に癒えていない」
4)インフレ:「インフレは原油安のような一時的要因に抑制されている」「雇用の増加が継続することが賃金への自信につながる」「インフレに関して、FRBは広範な指標を注視」「燃料や食料品を含んだ総合の物価に焦点」
5)住宅市場:「住宅は期待していたほど回復していない」
6)国際的情勢:「海外情勢は米国にとりリスクに」「中国の経済は一段と鈍化し、ユーロ圏がリスクに直面する可能性も」
7)通貨操作:「通貨操作を警戒する必要があるが、国内の目標に基づいた政策は適切でそうした場合は通貨操作と呼ぶのは正しくない」「金融政策が通貨の価値に影響した可能性もある」《KO》
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