博多阪急のユニーク「壁ドン」サービス戦略

2015年2月22日 20:14

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記事提供元:エコノミックニュース

 福岡県福岡市にある博多と天神はまさに九州一の商業地で多くのデパートが立ち並ぶ。そんな激戦区で博多阪急はユニークなサービスで勝負にでている。いまはやりの「壁ドン」サービスだ。

 博多阪急のバレンタイン催事場ではイケメン風男性社員が、希望する女性客に壁に手をついて見つめる「壁ドン」サービスをしてくれる。イケメンといっても好みがあるので、マダムにはロマンスグレーの男性を用意してくれるという念の入れようだ。

 さすがに関西の本店は格式ある老舗デパートなので、高級なイメージをこわすようなこのようなサービスは行っていない。阪急は福岡では知名度が低く、デパート激戦区ではいわば新参者だ。知名度を上げファンを獲得する為に次々と奇作を繰り出してきた。プロポーズ福袋や初売りの胴上げ、ソチ五輪の時にはフィギュアスケートの荒川選手のイナバウアーにちなんだアーチ形のいなりずし、イナリバウアーを販売するなど話題にことかかない。

 ユニークな戦略が功をそうしてか、博多阪急は好調を維持している。去年暮の御歳暮の売り上げは前年比でおおよそ2割増だ。博多阪急の広報担当は「増税の影響は心配したほどなく、売れ行きは堅調。最近はお歳暮商品を出産や退院などのお祝い用に購入するお客様が増えている」と語っている。博多阪急のライバル店、天神の博多大丸の広報担当は、ユニークな企画で福岡の街が盛り上がればそれに越したことはない、と余裕の対応だ。福岡市の百貨店の好調ぶりは全国でも群を抜いていて、人口流入により活力が増し消費意欲を刺激していることが好調の主な要因である。博多大丸の余裕の対応もうなずける。

 また、百貨店業界内にはJR駅直径のデパートは一人勝ちする、という伝説もある。多くのメディアで話題となるユニークなサービスに福岡市の個人消費の好調、おまけにJR駅直結のデパートに関する都市伝説と博多阪急への追い風は止まらない。博多阪急の次の奇作が楽しみだ。(編集担当:久保田雄城)

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