自然界では「協調」が生き残る道であるとは限らない?

2015年2月20日 16:08

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 ゲーム理論における「囚人のジレンマ」では、お互いが利己的な行動を取るよりも、お互いが協調した方がトータルとしてはよい利得が得られるとされている。しかし、物理学者Freeman Dysonとコンピューター科学者William Press氏という全く異なる分野の二人の研究者が、自然界においてはこのルールは当てはまらないのでは無いか、と主張している(QUANTA MAGAZINE論文Slashdot)。

 囚人のジレンマは、自然界で長期的な協力体制が成立する説明に使われている。生物が利己的な裏切り行動をしているにもかかわらず、協力的コミュニティを構築できたのは、非協力的なものが自然淘汰されてきたからだと考えられてきた。しかし、Freeman Dyson氏とWilliam Press氏が数学的な見地からこれらを検証したところ、最適な戦略は個々の生物が利己的に動くことだと分かったという。

 だが、自然界には特殊な協調行動の例が数多くある。たとえば、吸血コウモリは獲物を見つけるのに失敗した場合、コミュニティのメンバーに自分の血液を食事として寄付する。鳥や昆虫の一部は他種の雛を育てるのに役立っている。もし利己的な活動が最適な戦略であれば、何がこうした無私無欲の行為の原動力となるのだろうか、という点で両氏は頭を悩ませているという。

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