中国:人身売買の法規制強化へ、14年は4.3万人救出

2015年2月20日 09:09

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記事提供元:フィスコ


*09:09JST 中国:人身売買の法規制強化へ、14年は4.3万人救出
人身売買に対する法規制を強化する方向で中国政府が準備を進めている。「買い手」に対する刑事責任を明確化するための法改正手続きを行っている段階だ。「買い手」側の根強い需要が女性、子供の誘拐事件を引き起こしている元凶と判断。人身売買に絡む犯罪の根絶を狙う構えだ。法制日報が16日付で伝えた。
全国人民代表大会常務委員会は昨年10月、第9次刑法修正案を審議した。草案では、誘拐された婦女や子供の買い手に対しても刑事責任があることを明文化している。現行では、買い手側に3年以下の懲役刑を科しているものの、買い取った婦女や子供が自分の意志で元の居住地に帰ることを拒まなかったり、虐待行為を行わなかったり、公安の救出に協力したりした場合は、刑事責任を免れる——と規定。これが「買い手には罪がない」という誤解をもたらし、人身売買を助長させていたとの指摘が挙がっていた。
公安から得た情報によると、2014年に発生した誘拐事件で、公安当局が救出に成功した子供は1万3000人、婦女は3万人あまりに達した。合計4万3000人を救い出している。取り締まりを強化する中で、事故発生率が下がると同時に、救出成功率は上がった。しかし専門家によると、根絶は難しい状況だ。根強い買い手の存在が人身売買という地下産業を形成させているためという。
最近は外国人婦女や知能障害を持つ婦女が人身売買のターゲットになりつつある。昨年12月には、河北省の農村部に嫁いだベトナム人花嫁100人以上が失踪する事件が発生。ベトナム人花嫁を利用した国際的な組織による結婚詐欺の可能性が指摘された。

【亜州IR】《ZN》

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