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金沢大ら、慢性炎症による大腸がん悪性化の仕組みを解明
Apc 遺伝子変異とTGF-β抑制による大腸がん悪性化機構(左)と、TGF-β抑制と慢性炎症による浸潤性大腸がん発生機構(右)を示す図(金沢大学がん進展制御研究所の発表資料より)[写真拡大]
金沢大学がん進展制御研究所の大島正伸教授を代表とする研究グループは16日、JST戦略的創造研究推進事業の一環として、モデルマウスを用いた遺伝学的解析により、慢性炎症反応が誘導する大腸がん悪性化の仕組みについて明らかにしたと発表した。
同研究グループは、浸潤性大腸がんを自然発生するモデルマウスを作成して解析し、浸潤がん組織で炎症反応が強く誘導されていることに着目した。そして、がん抑制経路であるTGF-βシグナルを抑制したマウスに潰瘍性大腸炎を誘発することで浸潤性大腸がんが発生することを観察し、がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異と慢性炎症の相互作用により誘導されることを世界で初めて明らかにした。
この研究成果により、慢性炎症の制御によるがんの悪性化を制御できる可能性が示され、将来的にはがんの悪性化進展を予防する抗がん薬開発が期待されるという。
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