中国:元オムロン社員の棗庄市書記が消息不明、令計画氏の汚職と関連か

2015年2月10日 09:30

印刷

記事提供元:フィスコ


*09:31JST 中国:元オムロン社員の棗庄市書記が消息不明、令計画氏の汚職と関連か
「日中民間大使」と称され、日本とも関係が深かった山東省棗庄市の陳偉・元市委常書記(市人代常委会主任と兼任)が行方不明になっているようだ。陳氏は今年1月に全職務を解任されてから、この1カ月近く、関係者にも消息がつかめていない状況とされる。複数の中国メディアが9日付で伝えた。
陳氏の姿が公の場で最後に確認されたのは、昨年12月30日に自ら主宰した市委常委員会会議。現在ではすでに、市政府のオフィシャルサイトから経歴が削除されている。陳氏を巡っては、胡錦濤・前国家主席の側近で汚職容疑で失脚した令計画・共産党統一戦線工作部長(全国政治協商会議副主席と兼任)の妻、谷麗萍との密接な関係も取り沙汰されている。このことから、陳氏は中国共産党・中央紀律検査委員会(中紀委)に身柄拘束され、取り調べを受けているとの噂が流れている。
浙江省金華市出身の陳氏は1966年10月生まれ。日本の大手企業から国内省庁への転職は「海外留学の高級人材による祖国建設の新モデル」と評価された。
経歴を見てみると、1987年に入党。1990年8月にハルビン船舶工程学院自動制御理論・応用専科の碩士(日本の修士課程)を卒業。華東理工大学自動制御学科の博士課程などを経て、1993年に中国政府の派遣で東京工業大学大学院に留学した。日本留学中は全日本中国留学生学友会の会長を務めている。1997年に経済管理に関する博士号を取得。1997年4月にオムロン(6645/東証)に入社し、健康統轄事業部主任、オムロン大連法人の総エンジニアなどを務めた。34歳の2000年末に帰国し、政治家に転身。その後、スピード出世し、山東省威海市政府市長助手、同副市長を経て、2007年には棗庄市市長となり、最年少市長として注目された。

【亜州IR】《ZN》

関連記事