14年の現金給与、4年ぶり増加も実質賃金はなおマイナス 厚労省

2015年2月4日 17:17

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現金給与総額ときまって支給する給与の推移を示す図(毎月勤労統計調査の結果をもとに編集部で作成)

現金給与総額ときまって支給する給与の推移を示す図(毎月勤労統計調査の結果をもとに編集部で作成)[写真拡大]

 厚生労働省が4日発表した2014年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本給や残業代、賞与などすべての給与を合わせた月間1人当たり給与総額の平均は、前年比0.8%増の31万6,694円となった。4年ぶりの増加である。伸び率も1997年以来である。ただ、物価の影響を除いた実質賃金は前年比2.5%減と、いぜんマイナスが続いている。

 給与総額のうち、基本給や職務手当てなどの所定内給与は24万1,357円で、前年と同額だった。残業代などの所定外給与は1万9,690円で、前年比3.1%増加した。また、賞与などの特別に支払われた給与は5万5,647円で、同3.5%増加した。景気回復による企業の業績向上を反映したと見られる。

 1人当り労働時間では、所定外労働時間が同3.8%増の11.0時間となった。このうち、製造業では、同6.1%増の15.9時間となっている。

 雇用に関しては、常用雇用が前年比1.5%増と、11年連続の増加となった。内訳は、一般労働者が同1.0%増、パートタイム労働者は同2.7%増である。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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