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日本車の中国販売不振、公用車イメージの薄れと関係=専門家
*14:22JST 日本車の中国販売不振、公用車イメージの薄れと関係=専門家
中国のミドルセダン市場で苦戦を強いられている日本勢について、中国の複数の自動車メーカーは、「公用車としてのイメージが薄れたことと関係がある」との認識をそろって示した。かつて同市場をリードしていたトヨタ・カムリ、日産・ティアナ、ホンダ・アコード3車のここ数年の販売不振は、これを顕著に物語っている——とみている。中国経済網が3日付で伝えた。
2005~08年にかけては、カムリ、ティアナ、アコードがそろって販売の最盛期を迎えていた時期。この期間、7代目と8代目のアコードは「最も良い公用車」との栄誉を何度も得ていた。またカムリとティアナも当時の公用車市場で、そろって絶大なシェアを誇っていた。
しかしそれからおよそ7年が経過した現在、同3車種の公用車市場でのプレゼンスは極めて弱い。今月25日に北京で開催された国家・中央機関幹部向け公用車の一般競売では、廃止決定により取引された“元公用車”303台の中に、同3車種はほとんど含まれていなかった。
地方政府の関係者によると、数年前は公用車として調達する車種は軒並み日系ブランドだったが、ここ2年で買い替えを実施。独フォルクスワーゲン(VW)のパサートやマゴタンに変更したという。専門家は、「公用車というプレミア感の薄れが、市場イメージに影響した可能性がある」と解説した。
事実、日本車が当初売りとしていたメリットは、足元ですでに薄れたという。日本の自動車メーカーは中国に進出した当時、「燃費性能の良さ」「維持費の節約」「実用性」を大々的に宣伝していた。しかしアウディがターボチャージャー技術を通じて、低燃費パワーエンジン搭載車を投入するなど、独、仏、米系車が中国に特化した仕様車を送り込むにつれて、その強みは弱体化。さらに、日本車同様に「経済性」を売りにする韓国車の攻勢も、日本車のシェアをある程度奪ったという。
このほか、日本勢の劣勢について、中国乗用車聯合会の崔東樹・副秘書長(副事務局長)は、「中国の政策変化に順応しなかったことが要因だ」との見方を示す。それが起きたのは2009年。環境保護策の一環として、中国政府は同年、小型セダンの普及促進に乗り出した。排気量1600cc以下の小型車の車両取得税を半減するなどの支援策を相次ぎ打ち出している。これに合わせるように、欧米メーカーや中国自主ブランド車メーカーは小型車の販売に競って注力した。しかし一方で日本勢は、1800ccを主力とするミドルセダンに戦略重点を置いたままだったという。この年以降、日本車の中国販売は不振が継続。さらに、12年の尖閣諸島問題が日本車イメージの低下に追い打ちをかけたという。
【亜州IR】《ZN》
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