産総研、消費電力1000分の1以下の光ネットワーク技術を開発

2015年2月4日 14:54

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 産業技術総合研究所の松嶋功・上級主任研究員らによる研究グループは、これまでの電子ルータを使ったネットワークとくらべて消費電力が1000分の1以下となる、新しい光ネットワーク技術を開発した。

 現在のネットワークは、LSIを用いて電子的にパケット処理するルータが使用されており、情報量の増大に比例して消費電力も増大していくという問題がある。

 今回の研究では、情報の大きさに応じて経路を切り替えるスイッチ開発し、階層的に配置することで、様々な大きさの情報を低電力かつ低遅延で扱えるネットワークを実現することに成功した。実際に8つのノードを用いてネットワークを構築したところ、わずか6kW程度の消費電力で90Tbpsもの情報を扱うことができた。さらに、NHKが開発した8Kスーパーハイビジョン映像を非圧縮で伝送し、筑波にいる演奏者とつくばにいる演奏者が、合奏するできることも示した。

 今後は、実際の運用環境に近い試験用プラットフォームを構築し、実用化に向けてさらなる研究を進める予定となっている。

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