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東芝、テレビ事業の海外での自社開発・販売から撤退
主力であるテレビ事業が3期連続の赤字となっており、構造改革を急ぎ早期の黒字化を目指している東芝<6502>だが、その構造改革の一環として29日、海外での自社開発と販売から撤退し、他社へのブランド供与により事業を行うとの発表を行った。東芝ブランドを供与する相手は台湾コンパルで、ブランド供与は3月より開始される予定。
東芝はこれまで、北アメリカ市場にて高付加価値商品を投入する一方で、プラットフォームの絞り込みやコスト削減、また人員の最適配置などにより業績改善をはかり続けてきたが、しかし依然として続く価格競争や市場の伸長率の伸び悩みなどにより事業環境は悪化しているとの判断から、今回の海外での自社開発・販売の撤退を決定したとしている。また東芝は今後、北アメリカ以外の海外テレビ事業についても同様に自社開発・販売から撤退し、東芝ブランド供与へと移行する考えを示しており、第三者と協議のうえ、4月をめどに具体的に内容を進めていきたいとしている。しかし国内のテレビ事業については、4Kテレビや大型化の技術を活かすため、これからも自社開発・販売を継続させるとしている。
これまで東芝にとってテレビ事業は大きな悩みの種であった。それは、半導体事業が好調に推移しているだけに、その不振はより目立つ形となっていた。これまでも東芝は工場閉鎖や海外の販売会社の削減などにより構造改革を進めてきていたが、今回海外での自社開発・販売から撤退することにより、今まで以上にテレビ事業にてこ入れを行い構造改革を加速させる。
今、各メーカーがしのぎを削っている4Kテレビや8Kテレビの開発・販売により、テレビ市場では激しい競争が巻き起こっている。そうしたなか、事業環境が整わない海外での自社開発・販売を見切った東芝の判断は、ある意味賢明と言えるかもしれない。しかし、まだそう判断するのは早計だろう。今回の決断だけでなく、引き続き構造改革を行い続ける方針の東芝だが、今回の決定が賢明であったかどうかを判断するのは、今後の業績の改善具合をみて判断するべきだろう。(編集担当:滝川幸平)
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