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NYの視点:米FOMCは年内利上げの軌道上、Q4ECIに注目
*07:05JST NYの視点:米FOMCは年内利上げの軌道上、Q4ECIに注目
米連邦準備制度理事会(FRB)は2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利であるFF金利誘導目標を0-0.25%で据え置くと同時に、金融政策の正常化に向けて「忍耐強く」対処する方針を維持した。景気や雇用の判断を上方修正した一方、インフレ判断を引き下げたため、利上げの時期に関する見通しは分かれた。ただ、インフレやインフレ期待は燃料価格の下落など「一時的な要因」が引き下げたと見ているため、声明を「タカ派」ととるエコノミストが半数を占めた。声明の長さが2012年以来で最低となったことも、政策に大きな変更がないことを示唆する。
米ウォールストリートジャーナル紙のFedウォッチャー、ヒルゼンラス氏は「タカ派」要因と、「ハト派」要因が均衡された内容だと評価。同時に、雇用市場が改善の軌道にあることを理由にFRBが依然、年内の利上げに向けた軌道上にあるとの見方を確認した。FRBはインフレ低下の要因を一時的な現象として特徴づけていることを指摘。FRBが6月の利上げ開始を望んでいるとの見解を示した。ヒルゼンラス氏はまた、ドルに関する言及はなかったが、FRBが「国際経済の展開」を監視していくと同時に、ドル相場動向に注目していることは確かだと見ている。
ブラックロックは雇用や経済の回復は6月の利上げを可能にするとの見方。ただ、インフレの低下や国際状況の展開次第では利上げ開始の時期を9月まで先送りする可能性も指摘した。金融先物市場では6月の利上げ確率を12%しか織り込んでいない。年内の米国の利上げのシナリオは変わらず引き続きドルの支援材料となると考えられている。
米国の金融政策の鍵を握る雇用市場は強く拡大していると、FOMCメンバーは見ている。判断は前回会合の「着実な」回復から「強い」へ上方修正された。雇用のたるみ(slack)も解消基調が継続しているとの見方。ただ、米労働省が発表した12月の雇用統計で賃金が予想外に減少するなど、賃金の伸びが停滞していることが唯一の懸念となっている。米商務省が発表する10−12月期の雇用コスト指数(ECI)で賃金動向を確認することになる。《KO》
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