【黒澤善行の永田町ウォッチ】経済対策を裏付ける補正予算案を閣議決定

2015年1月15日 10:10

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記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【1月15日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

 先週9日、臨時閣議で、消費喚起や地域創生などを柱とする経済対策(12月27日閣議決定)を財政的に裏付ける総額3.11兆円の補正予算案を決定した。

 消費喚起関連では、地方自治体や商工団体などが発行するプレミアム商品券などへ助成する「地域消費喚起・生活支援型の地域住民生活等緊急支援交付金」(2500億円)のほか、環境に配慮した省エネ住宅の新築・リフォームにポイントを付与して商品などと交換できる住宅エコポイントの再開(805億円)などが盛り込まれた。

  地方創生関連では、各府省の計59事業、総額3275億円が盛り込まれた。総合戦略に沿って人口減少対策や少子化対策などを積極的に取り組む先行自治体に対して交付金を上乗せする「地方創生先行型の地域住民生活等緊急支援交付金」(1700億円)や、新規就農支援や創業時の設備購入費等に対する補助金支給など地方での雇用創出を目的とした36事業(計824億円)のほか、地方移住の情報を提供する「全国移住促進センター」の開設、子育て世代を対象にした総合的な相談窓口の整備などが盛り込まれている。

 エネルギー対策関連では、蓄電池の導入支援など再生可能エネルギーの利用拡大(809億円)や、燃料電池車や電気自動車の購入補助(100億円)、省エネ機器を導入する場合の補助金など(930億円)のほか、円安進行で燃料費増に苦しむ中小企業対策も盛り込まれている。

 補正予算の財源には、所得税や法人税の伸びによる税収上振れ分1.72兆円や、前年度の一般会計剰余金(1.06兆円)や復興財源剰余金(0.97兆円)などを充てている。2014年度当初予算で計画していた新規国債の発行額(41.25兆円)については、0.75兆円を減額した。国債の追加発行を回避することで、財政健全化に配慮した格好だ。【了】

 黒澤善行(くろさわ・よしゆき)/愛知県春日井市生まれ。立命館大学政策科学部卒業、立命館大学政策科学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社「週刊エコノミスト」記者、衆議院議員政策スタッフ、シンクタンク2005・日本(自民党系)研究員などを経て、従来の霞が関の機能を代替できる政策コンサル産業の成立を目指す株式会社政策工房の主任研究員に就任。主著に『できる総理大臣のつくり方』(春日出版、共編著)『ニッポンの変え方おしえます―はじめての立法レッスン』(春秋社)がある。政策工房Public Policy Review(http://seisaku-koubou.blog.jp)より、著者の許可を得て転載

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