NYの視点:米Q4ECIで賃金動向を確認へ

2015年1月13日 07:02

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:米Q4ECIで賃金動向を確認へ

12月の労働市場の改善の勢いは増した。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した労働市場情勢指数(LMCI)の12月分は6.1と、11月の5.5から上昇し5月来の高水準となった。11月分も2.9から5.5へ上方修正された。10-12月期の平均は5.2と、第3四半期の平均3.3、2014年第3四半期までの平均4.4を上回った。労働市場のslack(たるみ)が引き続き解消したほか、経済活動も力強く回復している証拠となった。

19の雇用指標からなる労働市場情勢指数(LMCI)は米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する上で注視している指数のひとつ。政策当局者は連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の中で、労働市場に関し、強い雇用に加えて失業率やパートタイム労働者の減少が続いていることに言及。

一方で、採用率と退職率の改善は滞っている。また、労働参加者も一段と減少、参加率は1978年以降36年ぶりの低水準となった9月と同水準となった。労働市場の指標において最も論争を巻き起こすのは賃金の動向だ。今月末に発表される10-12月期の雇用コスト指数(ECI)に注目が集まる。1-3月期は0.3%に続き4-6月期、7-9月期は2四半期連続で0.7%と2008年以来で最大の伸びを記録した。最近のFOMCで、一部のメンバーは最近のECIの上昇が「賃金が上昇している証拠」との見解を示したが、他のメンバーは引き続き広範な賃金の上昇を示す明確な証拠はないとの見解にとどめている。12月の雇用統計では平均時給が予想外に減少。10-12月期のECIも思わぬ賃金の伸びの鈍化を示すと利上げ先送り観測が広がり一段とドルの売り戻しが強まる可能性がある。《KO》

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