【黒澤善行の永田町ウォッチ】地方創生の長期ビジョンと総合戦略、年内取りまとめへ

2014年12月18日 17:21

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記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【12月18日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

 このほか、政府は、「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長:安倍総理、副本部長:菅官房長官、石破地方創生担当大臣)を27〜29日の間に開催して、2060年に人口1億人程度の維持を見据えた展望を示す「長期ビジョン」と、地方での魅力ある雇用創出や結婚・出産・育児の環境整備などを着実に実施するよう客観的指標を盛り込む平成27年度からの5カ年計画「総合戦略」を12月中に取りまとめる方向で調整する。

 当初、12月上旬にも総合戦略と長期ビジョンを取りまとめる予定だったが、衆議院解散・総選挙によりスケジュールがずれ込んだ。その影響を最小限に抑えるべく、年明け以降に取り組みを加速させていくとしている。

 今後5年間の国の施策の方向性や基本目標を示す総合戦略には、地域活性化や少子化対策など自治体の取り組みを支援する新たな交付金創設の検討を明記するほか、企業の地方移転を促す法人税の優遇措置なども盛り込まれる予定だ。

  新たに創設する交付金は、2015年度中に都道府県・市町村が策定する「地方版総合戦略」に盛り込まれた事業を財政面で後押しするもので、補正予算案でその財源を計上する予定となっている。自治体に交付金の自由な活用を認める一方、その事業の政策効果を検証するしくみを導入するよう求めている。

  このほか、地方移住の関連情報を一元的に提供する全国地方移住促進センター設置、政府関係機関の地方移転促進、都市住民が過疎地などの活性化に取り組む地域おこし協力隊の隊員を2020年までに4000人に拡大なども盛り込まれるという。【了】

 黒澤善行(くろさわよしゆき)/愛知県春日井市生まれ。立命館大学政策科学部卒業、立命館大学政策科学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社「週刊エコノミスト」記者、衆議院議員政策スタッフ、シンクタンク2005・日本(自民党系)研究員などを経て、従来の霞が関の機能を代替できる政策コンサル産業の成立を目指す株式会社政策工房の主任研究員に就任。主著に『できる総理大臣のつくり方』(春日出版、共編著)『ニッポンの変え方おしえます―はじめての立法レッスン』(春秋社)がある。政策工房Public Policy Review(http://seisaku-koubou.blog.jp)より、著者の許可を得て転載

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