関連記事
佐賀県・武雄市図書館の絶好調の秘密とは
「TSUTAYA図書館」として有名になった、民間企業のカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営を受託している武雄市図書館には、TSUTAYAの書店やDVDレンタル店、コーヒーチェーンのスターバックスが併設されている。[写真拡大]
「TSUTAYA図書館」として有名になった、民間企業のカルチュア・コンビニエンス・クラブ<4746>が運営を受託している武雄市図書館には、TSUTAYAの書店やDVDレンタル店、コーヒーチェーンのスターバックスが併設されている。
この図書館、常識を壊した発想に溢れている。本を買える、DVDをレンタルできる、館内はコーヒーを片手に読書ができる、午後9時までやっていることなどだ。さらに利用者が増加したことなどで全国から注目を集めている。
しかし、図書館の秘密はそういった話題性のある部分ではなく、快適性を重視した設計にあるとも言われている。視覚、皮膚感覚、聴覚、臭覚などの人間の感覚様相をもとに、快適な空間が設計されているのだ。
気持ちのよい空間にすることが建て替えの際の理念としてあったことは樋渡前市長も語っている。この設計思想のもとに作られると、「360度本に囲まれた教会」のイメージで非日常の場となり、結果として2時間以上滞在できる「場」になる。
改装前に比べ全体的に1.5倍広くなったスペース、高い天井と本棚が印象的な小説の書棚のスペース、椅子や机も配置されていりゆったりと設計されたフロアなど、快適性の理念を体現したそれぞれが調和して気持ちのよい空間を実現している。
さらに空間面だけではなく、利用者の快適性にも気を配っている。館内には公衆無線LANが配備され、コンセント付きのテーブルも用意されているので、仕事もできる。また、本の並べ方も標準的な日本十進分類法ではなく、利用者が探しやすい分類になっている。
館内が撮影禁止ゆえになかなかわかりにくいが、相対的に他の図書館より居心地が良い。先日個人情報の提供禁止のために、面倒な手続きをしなくてはいけないことで批判を受けたカルチュア・コンビニエンス・クラブ。ポイント目当てじゃないかとか、民業圧迫との批判もある。しかし、図書館が本来持っていたが、利用者減で失われていた機能を取り戻したことも事実であろう。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・多くの人々の懸念をよそに着々と進むマイナンバー制度導入
・オープンデータが企業を1年で10倍に成長させる?
・研究論文を読むために年間1億円も支払うという現状
・日本の技術が人類遺産を保存する NTTデータがバチカン図書館と手書き文献保存プロジェクト推進
・2014年、電子書籍市場の展望
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク