【黒澤善行の永田町ウォッチ】重要法案も審議未了で廃案、来年の通常国会で再提出へ

2014年11月28日 15:58

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記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【11月28日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

 解散のあおりを受け、重要法案を含む以下の法案などが審議未了のまま廃案となった。

 成立できなかったこれら法案は、来年の通常国会で再提出して成立をめざすこととなる。通常国会で審議されれば、成立は来年度予算・予算関連法などが成立する来年4月以降になる見通しだ。

■女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案


 女性の採用・昇進機会を増やす取り組み加速を促すため、従業員301人以上の大企業、国・地方自治体に、採用者や管理職に占める女性割合、勤続年数の男女差などを把握したうえで、自主判断で最低1項目の数値目標を盛り込んだ行動計画の作成・公表を義務化

■労働者派遣法改正案


 企業の派遣受け入れ期間の上限規制を撤廃(最長3年、一部の専門業務除く)する一方、派遣労働者一人ひとりの派遣期間の上限は原則3年に制限して、派遣会社に3年経過した後に派遣先での直接雇用の依頼や、新たな派遣先の提供などの雇用安定措置を義務化

■国家戦略特区法改正案


 外国人の起用要件の緩和など、国家戦略特区でのさらなる規制緩和の追加

■五輪・パラリンピック特別措置法案


 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、専任の五輪担当大臣を新設するため閣僚枠を拡大

■風俗営業法改正案


 クラブやダンス教室に係る規制の緩和

■特定複合観光施設区域整備推進法案<議員立法>


 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備の推進

 このほか、19日、与野党8党は、6月に施行された改正国民投票法で憲法改正国民投票の投票年齢を18歳以上に引き下げることに伴う措置として、選挙権年齢を現行の20歳以上から18歳以上に引き下げるとともに、未成年者が買収などの悪質な選挙違反をした際には成人と同じ刑事裁判を受けさせることで合意し、衆議院に会派を有しない新党改革を除く7党で公職選挙法改正案<議員立法>を衆議院に共同提出した。同法案は、解散に伴い廃案となったが、来年の通常国会で改めて提出して成立をめざす方針だ。【了】

 黒澤善行(くろさわよしゆき)/愛知県春日井市生まれ。立命館大学政策科学部卒業、立命館大学政策科学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社「週刊エコノミスト」記者、衆議院議員政策スタッフ、シンクタンク2005・日本(自民党系)研究員などを経て、従来の霞が関の機能を代替できる政策コンサル産業の成立を目指す株式会社政策工房の主任研究員に就任。主著に『できる総理大臣のつくり方』(春日出版、共編著)『ニッポンの変え方おしえます―はじめての立法レッスン』(春秋社)がある。政策工房Public Policy Review(http://seisaku-koubou.blog.jp)より、著者の許可を得て転載

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