サウジアラビアの原油価格下落黙認戦略

2014年11月28日 11:50

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記事提供元:フィスコ


*11:50JST サウジアラビアの原油価格下落黙認戦略
石油輸出国機構(OPEC)総会で生産枠が維持されたことで、NY原油先物は、60ドル台まで下落している。


サウジアラビアは、国家予算を85ドルで組んでいるものの、原油のコストは3ドル程度であることで、依然として耐えられる価格水準にある。

サウジアラビアの原油価格下落黙認の背景には、米国、ロシア、イスラム国への戦術がある。

1)米国のシェールオイル生産者の損益分岐点が70ドル程度であることで、原油価格の低迷は、シェールオイルからのシェアの奪還がある。

2)オバマ米政権とともに有志連合国としてイスラム国への攻撃に参加していることで、イスラム国の資金源を締め付ける狙いもある。

3)ソビエト連邦によるアフガニスタン侵攻時に、レーガン米政権の要請で、原油価格を下落させ、ソ連を崩壊させた。
今回も、オバマ米政権の要請で、国家予算を104ドルで組んでいるロシアへの経済制裁に参加している。《MY》

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