人民元基準値:8カ月ぶり高水準、「株式相互取引の開始」発表で上昇サイクルに突入か

2014年11月11日 08:45

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記事提供元:フィスコ


*08:45JST 人民元基準値:8カ月ぶり高水準、「株式相互取引の開始」発表で上昇サイクルに突入か
週明け10日の中国外国為替マーケットで、人民元相場が上昇している。8日発表の10月貿易黒字が過去最高記録に迫るなか、中国人民銀行(中央銀行)がこの日の取引基準値を大幅な元高水準に設定したことが主因。また、証券当局が上海と香港の「相互乗り入れ」(両株式市場の相互取引開放)を17日付で開始すると発表したことで、元需要が一段と拡大するとの見方がある。さらには、米中首脳会談を今週12日に控えて、政治的な元高誘導が進むとの思惑も浮上した。これら複数の材料が足元で元高を後押しするとみられている。

人民銀は10日、外国為替市場での人民元の対米ドル基準値を1米ドル=6.1377人民元に設定。これは今年3月19日以来、約8カ月ぶりの元高水準となる。前営業日の基準値(6.1602人民元)との比較では、0.37%(0.0225人民元)の元高・ドル安水準。上げ幅は2010年6月以来の大きさを記録した。

取引基準値の元高設定が続いた場合、人民元相場は新たな上昇サイクルに入る可能性があると市場関係者はみている。ただ、人民元をめぐるファンダメンタルズに大きな変化が見られない状況のもと、大幅な上昇には期待しにくいとみる向きもある。《ZN》

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