NYの視点:米10月LMCI、フォワードガイダンス変更示唆せず

2014年11月11日 07:01

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:米10月LMCI、フォワードガイダンス変更示唆せず

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した10月の労働市場情勢指数(LMCI)は4.0上昇と、9月と同じく6月以来の高水準を維持した。9月分は2.5から4.0へ上方修正された。FRBは9月から下記の19の雇用指標からなる総合指数の発表を開始した。

米労働省が発表した米10月雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比21.4万人増と、市場予想23.5万人増に満たなかった。しかし、9月分は24.8万人増から25.6万人増へ上方修正されたほか、年初からの平均も22.8万人増と20万人超の雇用が持続している。失業率も5.8%と、予想外に9月の5.9%から低下。2008年7月以来6年ぶりの低水準となった。10月平均時給は前月比+0.1%と市場予想+0.2%には達しなかったものの、9月の横ばいから伸びが拡大。不完全雇用率(U6)は11.5%と、9月11.8%からさらに低下、2008年9月来の水準にまで戻した。やはり労働省が発表する週次の失業保険申請件数で変動の少ない4週平均や継続受給者も14年ぶりの低水準を記録。

最近発表される雇用関連指標や労働市場情勢指数は米国労働市場のたるみ(slack)が解消しつつあることを示している。しかし、そのペースは遅く、米FRBは12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でもフォワードガイダンスを変更する必要がないとの見方は根強い。

■労働市場情勢指数(LMCI)の構成(19項目)

○失業率、広義の失業率(U-6)
失業率(労働統計局CPS)
労働参加者(労働統計局CPS)
経済的な理由でパートタイム(労働統計局CPS)

○雇用
民間雇用(米労働省、最近の雇用統計Current Employment Statistics)
政府の雇用(米労働省、最近の雇用統計Current Employment Statistics)
臨時雇用(米労働省、最近の雇用統計Current Employment Statistics)

○労働時間
週平均労働時間(米労働省、最近の雇用統計Current Employment Statistics)
労働に就いているひとの平均労働時間(労働統計局CPS)

○賃金
一時間あたりの平均賃金(米労働省、最近の雇用統計Current Employment Statistics)

○欠員(コンファレンスボード(CB)、Help Wanted Online)

○雇用
採用率(JOLTS)
失業から雇用に移行した率(労働統計局CPS)

○解雇
失業保険受給者率(米労働省、従業員雇用・訓練事業団ETA)
5週間以内に解雇された率(労働統計局CPS)

○退職
退職率(JOLTS)
5週間以内に退職(労働統計局CPS)

○消費、企業調査
雇用が十分または、職を得るのが困難(コンファレンスボード(CB))
雇用の計画(全米独立企業連盟 NFIB)
企業が欠員を埋めるのが困難(全米独立企業連盟 NFIB)《KO》

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