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京大、恐怖を抱く時の方が判断速度が向上することを明らかに
京都大学の正高信男教授らによる研究グループは、恐怖を感じる時の方が判断速度が向上することを明らかにし、恐怖感情を抱くことは認知情報処理を妨げるという、ここ一世紀の間信じられてきた心理学の定説を覆した。
これまで、心理学では恐怖のようなネガティブな感情は人間の判断を鈍らせると考えられてきたが、一方でダーウィンは1871年の書籍で「恐怖を抱くことは、人間の強みになりうる」と提唱していた。
今回の研究では、成人108名と子供25名を対象に、ヘビと花の写真を見せ、その色を判定するまでに要する時間を計測した。その結果、成人も子供もヘビの色を答える時の方が有意に速くなることが分かった。
研究メンバーは、「本研究成果では、恐怖は理性的判断を行うにあたって、良くないものであるという従来の考えを、極めて簡便に、かつ再現性の高い技法で根本的に覆す知見を提供しました。今後は、恐怖がこころの働きを活性化しない人々がいるのではないか、具体的に一般の社会生活を営むことが困難な人々の心理の解明を行います」とコメントしている。
なお、この内容は「Royal Society Open Science」に掲載される。
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