誤飲しても安全なボタン電池

2014年11月7日 16:17

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 誤飲しても安全なボタン電池が開発されたそうだ(Science)。

 子供がボタン電池を誤飲する事故は米国で毎年3000件起きており、日本でも2010年12月から2014年3月末までに乳幼児による誤飲や誤飲疑いが93件報告されているとのこと。ボタン電池が消化管に接触すると電流が流れ、電気分解によってタンパク質を溶かすアルカリ性の液体が発生する。これにより短時間で消化管の壁に穴が開くといった損傷が起きる恐れがあり、場合によっては死亡に至るケースもあるという。

 今回開発された技術はボタン電池を量子トンネル材(金属粒子が埋め込まれたシリコン)で覆うというもの。この素材は通常状態では金属粒子が離れ伝導性は無いが、圧力を受けた場合にのみ量子トンネル効果によって金属粒子がシリコンを通り抜け伝導性が生じるという。

 この素材でコーティングされた電池は、電化製品などに使用する際は電池に圧力がかかるため電流を流すようになるいっぽう、体内ではそういった圧力は加わらないため電流が流れない。電池としての機能を保ちつつ消化器官内では伝導性の無い状態を作り出せるとのこと。

 また、このコーティングは防水性があるためアウトドア向きの耐候性電池などにも応用できるとのことだ。

 スラッシュドットのコメントを読む | ハードウェアセクション | ハードウェア | 電力

 関連ストーリー:
使い切った乾電池は落とすと跳ねる? 2014年09月17日
ソニーから世界初の「水銀を使わないボタン型酸化銀電池」 2004年09月30日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事