地銀再編の動きが加速か

2014年11月6日 15:05

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記事提供元:フィスコ


*15:06JST 地銀再編の動きが加速か
地方銀行大手の横浜銀行<8332>と東京を地盤とする第二地銀の東日本銀行<8536>は4日、経営統合に向けた交渉を進めていることを明らかにした。
2016年春にも持ち株会社を設立し、両行が子会社として傘下に入る。実現すれば統合後の総資産は15兆7928億円(2014年3月末時点)となり、福岡銀行などを傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)<8354>を上回り全国で最大の地銀グループとなる。
発足する新グループは、神奈川県と東京都を中心とする首都圏に約280店舗を持つ広域地銀になる。両行とも首都圏を地盤としているが、神奈川県で圧倒的に強い横浜銀行と茨城県や東京都に展開する東日本銀行は、営業エリアは近いが重複が少ないため、統合で相乗効果を発揮しやすく、コストを削減して顧客基盤や収益力を強化できると判断したと見られる。
地方銀行を巡っては、同じく首都圏で10月に東京都民銀行と八千代銀行が統合し、東京TYフィナンシャルグループ(FG)<7173>が発足されたばかりだ。
人口減少や高齢化を背景に市場が縮小する中、全国に105行ある地銀・第二地銀を取り巻く経営環境は厳しさを増している。金融庁も再編も視野に入れた中長期の経営戦略の見直しを各行に促しており、業界再編の動きが加速しそうだ。過去の地銀再編は不良債権を抱えて経営難に陥った銀行を体力のある大手地銀が救済する形が一般的だったが、両行の経営は健全で、今までとは違い「攻めの再編」とも言える。しかし、再編してただ大きくなってメガバンクと競争するだけでなく、地方銀行には地域に密着して地域経済の活性化に向けたきめ細かな地場企業への融資や住宅ローンの提供などが期待されているため、地方銀行としての役割・良さも残してもらいたい。《YU》

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