enish、トクヤマ、兼松日産など/本日の注目個別銘柄

2014年11月4日 16:46

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記事提供元:フィスコ


<6758> ソニー 2301 +229大幅高。米国株高や為替の円安など、外部環境の一段の改善を好感して、輸出関連の主力株は全面高の展開になっている。こうしたなか、同社に関しては先週末に発表した上半期の決算内容も買い材料につながっている。営業損益は158億円の赤字、市場予想は700-800億円の赤字であったとみられ、想定以上の赤字幅縮小と捉えられる格好に。足元では、米国の消費者信頼感指数が上振れていることなどから、米国の年末商戦に対する期待感も高まっている状況に。

<8536> 東日本銀行 322 +43急伸。横浜銀行<8332>と経営統合する方針を固めたとの報道が伝わっており、期待材料視する動きが先行している。会社側では検討していることは事実とコメント。経営統合した場合は、総資産は地銀でトップに立つことになる。店舗網が補完しあえるなどシナジー効果も期待されるとの見方に。なお、「攻め」の再編である点を評価する動きもあるが、横浜銀行の上昇率はやや限定的であり、プレミアム期待なども先行している状況か。

<4043> トクヤマ 253 -66急落。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は従来計画をやや上回る着地となったが、最終損益は60億円の黒字であった従来予想に対して、805億円の赤字決算となった。マレーシアの多結晶シリコンプラントにおいて、748億円の減損損失、計画見直しに伴う関連費用112億円を特別損失に計上したことが背景。つれて、上半期末、期末ともに無配に転落する。大幅損失計上に伴う自己資本毀損の影響などに警戒感が強まる状況へ。

<5741> UACJ 372 -30下げ目立つ。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は131億円で前年同期比2.7倍、通期予想は255億円から265億円に上方修正している。ただ、期初計画にはアルミ地金の在庫評価は殆ど織り込まれていなかったが、今回は市況上昇を背景に57億円が反映されているもよう。在庫影響を除くと、通期営業利益は208億円となり、実質下方修正となる格好に。缶材向けや自動車向けが減速しているようだ。

<3667> enish 2239 -436大幅安。後場に入ってから急速に伸び悩む展開となっている。本日、新作アプリ『千年の巨神』に関して、iOS版、Android版を同時に配信開始と発表している。事前登録者が10万人を突破など期待感の高まっていた新タイトルであるが、配信開始のリリースが短期的な出尽くし感にもつながってしまっている格好。また、主力大型株への物色シフトが強まる中で、ゲーム関連株には関心もやや薄れる状況となっている。

<5603> 虹技 206 -34急落。不適切な会計処理がなされた可能性が生じていると発表、警戒感からの見切り売りが優勢の展開になっている。不適合品の発生の隠蔽、予定生産量の達成のために、棚卸資産の計上区分の改ざんが行われた可能性があるようだ。つれて、四半期報告書の提出期限の延長について承認申請を行う予定と。現段階では損失額に対する不透明感が拭えない状況に。

<7961> 兼松日産 166 +24急伸。兼松が連結子会社化を目指してTOBを実施すると発表、TOB価格200円にやや鞘寄せする動きとなっている。ただ、買い付け予定数の上限は7835千株であり、発行済み株式数の18.90%に過ぎず、TOBの抽選漏れリスクなども大きい状況にある。TOB価格と現値にはやや乖離が大きくなっている。

<9358> 宇徳 578 +80ストップ高。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は24.3億円で前年同期比98%増益となり、第1四半期決算発表時に上方修正した数値22億円を上振れる着地に。通期予想は36.5億円から42.5億円に、第1四半期決算時に続いての上方修正となっている。国内外でプラント・物流事業が好調に推移した。PER水準の割安感なども一段と強まる状況に。

<8591> オリックス 1662.5 +154買い優勢。地合い好転で金融関連株が総じて買われているなか、JPモルガン(JPM)が投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価2000円としていることも買い材料につながっている。決算説明会において、CEOでは配当性向を昨年の15.6%から最低20%に引き上げるように早期の社内合意を目指すことを明らかにしているもよう。また、JPMでは、追加緩和によって資産の含み益の増加にも期待としているようだ。

<6925> ウシオ電機 1117 -41売り優勢。上半期営業利益は前年同期比31%減益の40億円となり、従来予想の55億円を下振れる着地に。つれて、通期予想も従来の140億円から110億円に下方修正、一転しての減益見通しとなる。野村では投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も1578円から1200円に引き下げ。DPSの想定外の急減速を背景に、業績予想を下方修正しているもよう。《FA》

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