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京大、柿の性決定遺伝子を明らかに
研究グループが今回の研究に使用したさまざまなカキ属植物の果実。手前に写っている小型の果実(5個)がマメガキ(Diospyros lotus)。一番奥のものは老鴉柿(D. rhombifolia)、その他は柿(D. kaki)の果実(京都大学の発表資料より)[写真拡大]
京都大学の田尾龍太郎准教授・赤木剛士同助教らによる研究グループは、植物で初めて、雌雄異株性の性決定因子を柿において発見することに成功した。
植物の起源は両性花をつける両全性であるとされているが、いくつかの種では多様性維持のために雌雄性を獲得してきた。その性別を決めるのは動物と同様に性染色体によると考えられてきたが、その明確な決定因子は発見されていなかった。
今回の研究では、マメガキの交配集団を調べ、カキ類の性決定は哺乳類と同様にXY性染色体によって制御されていることを解明した。さらに、次世代シークエンシング技術を用いてY染色体の雄特異的領域に存在する非翻訳RNA「OGI(雄木)」が雄化に関わる性決定を担う最上流因子であることを明らかにした。
研究メンバーは「植物全体をみても、雌雄異株性を決定する遺伝的因子は未知でしたが、今回、雌雄異株性の性決定因子が植物で初めて、柿において明らかにされました。(中略)研究材料としては扱いにくい木本性植物である柿の研究を地道に続けることが、植物科学分野における画期的な発見につながったことを、果樹園芸学分野の研究者として非常に喜ばしく感じています」とコメントしている。
なお、この内容は10月31日に「Science」に掲載された。
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