NYの視点:来週は米中間選挙、ECB、雇用統計に注目

2014年11月1日 07:01

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:来週は米中間選挙、ECB、雇用統計に注目

10月28日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は前週から減少し、先週に続き7月下旬以来の低水準となった。市場の円の売り持ちが減少していたたことで円の下落ペースが加速したと考えられる。一方、ユーロの売り持ち高は前週から増加、9月初旬以来で最高となった。

■来週のポイント

先進各国の金融政策のかい離が一層明確化するため、ドルの上昇は続くと考えられる。米連邦公開市場委員会(FOMC)は計画通り量的緩和第3弾(QE3)の終了を決定。一方、日本銀行は金融政策決定会合で、昨年4月に異例な質的・量的緩和を導入以降初めてとなる追加緩和を予想外に決定した。マネタリーベースを来年末までに80兆円まで拡大(30兆円増加)させる。残るはデフレリスクに直面している欧州中央銀行(ECB)。日本銀行に続きECBが米連邦準備制度理事会(FRB)型の量的緩和(QE)を導入することを織り込むユーロ売りに拍車がかかる可能性がある。欧日の異例な緩和策が世界の金融資産市場を支えることになる。米国の中間選挙で共和党が上院で勝利し上下院で共和党が過半数を占める議会となると、株式相場が一段と上昇し、リスク選好の円売りに一層拍車がかかる。

●欧州

6日:欧州中央銀行(ECB)定例理事会

ECBは11月の定例理事会で金融政策を据え置くとの見通しが一般的となっている。しかし、日本銀行に続いてデフレリスクに直面している欧州中央銀行(ECB)がいずれ米連邦準備制度理事会(FRB)型の量的緩和(QE)を導入するとの思惑は強く、ユーロの圧力になる。10月の連邦公開市場委員会(FOMC)開催を前に39人のマネーマネジャー、エコノミストなどを対象に米国の経済専門局であるCNBCが実施した調査で、回答者の74%がECBによるQE導入を期待していることが明らかになった。タイミングの平均予想は来年の2月。

●米国

2日:バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演
3日:エバンス・シカゴ連銀総裁、フィッシャー米ダラス連銀総裁が金融政策に関して講演、イエレンFRB議長がオバマ米大統領と経済見通しに関し協議、10月ISM製造業景況指数:予想:56.2(9月56.6)
4日:中間選挙
5日:コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁は金融政策に関して講演、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁が金融安定に関する講演、ローゼングレン・ボストン連銀総裁が講演、バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演、10月非製造業景況指数:58.0(9月58.6)
6日:エバンス・シカゴ連銀総裁が講演、パウエルFRB理事が講演、メスター・クリーブランド連銀総裁がフォワードガイダンスに関して講演
7日:エバンス・シカゴ連銀総裁、イエレンFRB議長が政策に関して講演、タルーロFRB理事が講演、10月雇用統計:失業率予想5.9%(9月5.9%):非農業部門雇用者数:予想23.5万人(9月24.8万人)

中間選挙を控え、オバマ米大統領はイエレンFRB議長と米国経済に関する協議を行う。協議では経済の長期見通しに焦点があてられるという。イエレンFRB議長はまた、7日にも政策に関する講演を予定している。10月会合の結果を受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)の早期利上げ観測が強まるなか、米10月の雇用統計やイエレンFRB議長の発言に注目が集まる。10月のFOMCでは量的緩和第3弾(QE3)を計画通り終了したほか、フォワードガイダンス「QE終了後も相当の期間、異例な低金利が適切」を据え置いた。しかし、金融政策の鍵を握る労働市場の判断を予想外に上方修正したため、早期利上げ観測が再燃。雇用統計の結果やイエレンFRB議長の景気や雇用に関する判断がFOMCの声明内容を確認するものになるとドルの支援材料となる。

中間選挙は議員の任期が2年の下院は全435議席、任期が6年の上院は3分の1(今回は36議席)が対象となる。上院で、オバマ政権の医療保険制度改革や外交での失敗がひびき現在多数派を占めている民主党が議席を失い、かわって共和党が多数派を占め、上下院とも共和党優勢になることが織り込まれている。ただ、拮抗している州も見られ、思わぬサプライズも除外できない。予想通りに共和党が上院で多数派を占めることができないと、失望感から株式相場が伸び悩むことはリスクとなる。円売りも一段落することになる。

●地政学的リスク

ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア

【10/28IMM】

*日本円
ネット・円売り持ち:-67,399(10/28)←円売り持ち:-71,738(10/21)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-165,707(10/28)←ユーロ売り持ち:-159,371(10/21)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-6,247(10/28)←ポンド売り持ち:-4,485(10/21)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-20,283(10/28)←スイスフラン売り持ち:-17,862(10/21)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-21,405(10/28)←加ドル売り持ち:-21,534(10/21)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-33,851(10/28)←豪ドル売り持ち:-31,509(10/21)

*NZドル
ネット・NZドル売り持ち:-3,898(10/28)←NZドル売り持ち:-2,332(10/21)

*メキシコペソ
ネット・ペソ売り持ち:-26,843(10/28)←ペソ売り持ち:-21,124(10/21)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)《KO》

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