東芝、インドで気象レーダーを受注 グローバルで受注拡大図る

2014年10月27日 13:17

印刷

東芝がインド気象庁から受注した気象レーダー設備のイメージ(同社発表資料より)

東芝がインド気象庁から受注した気象レーダー設備のイメージ(同社発表資料より)[写真拡大]

 東芝は27日、インド気象庁が同国ジャム・カシミール州スリナガルに設置する気象レーダーを共同で受注したと発表した。日本国外での気象レーダー受注は同社で初めて。設備は2015年1月に納入する予定という。

 同社によると、今回受注したレーダーは電波の強度、位相や偏波など多くの項目を測定することで、半径80kmの範囲で高精度に雨量や風速などの観測ができる。設備全体では、従来の電子管を用いた気象レーダーと比較し、体積を75%、消費電力を90%削減しているという。

 同社はインドで、同国原子力エネルギー庁傘下の国営企業ECIL社と2012年8月から気象レーダー事業に関して協業しており、今回は日本国内での納入実績と現地で据付作業等を担当する同社との共同提案が評価され受注に至ったという。

 同社は、国内では国土交通省や大学研究機関向けに固体化気象レーダーの納入実績を持つ。また、大阪大学や情報通信研究機構と共同で、従来のパラボラ・アンテナ式の気象レーダーの約20倍の速さで観測ができる「フェーズドアレイ気象レーダー」の開発に世界で初めて成功した。

 今後は、日本での豊富な経験をもとに、それぞれの国のニーズに沿った製品・ソリューションを提案し、グローバルでの受注拡大を図るという。

関連記事