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九大、骨細胞が作るタンパク質の経口摂取で代謝が活性化することを明らかに メタボ予防薬の開発に期待
経口投与したオステオカルシンの消化管における分布を示す図(九州大学の発表資料より)[写真拡大]
九州大学の平田雅人主幹教授らによる研究グループは、骨の細胞が作るオステオカルシンというタンパク質を長期間経口摂取することで、全身の代謝が活性化することを明らかにした。
オステオカルシンは、血糖値を低下させるホルモンであるインスリンの分泌を促進することが同研究グループによって既に明らかにされているが、長期間摂取した際に全身のエネルギー代謝にどのような影響が出るのかは解明されていなかった。
今回の研究では、雌のマウスに週3回のペースで3ヶ月間に渡ってオステオカルシンを飲ませたところ、空腹時の血糖値が低下し、糖の処理能力が改善することが分かった。また、オステオカルシンは小腸で24時間程度留まったり、吸収後は全身の循環血液中に存在したりすることで、全身の糖代謝を活性化することが明らかになった。
今後は、さらにオステオカルシンの血中濃度を高めるための物質を同定し、併用することが期待されている。
なお、この内容は国際学術誌「BONE」に掲載された。
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