2014年のノーベル生理学・医学賞は、認知地図を作成する神経細胞を発見した3氏が受賞

2014年10月7日 12:56

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 2014年のノーベル生理学・医学賞は、英国・ユニバーシティカレッジロンドンのJohn O'Keefe氏と、ノルウェー科学技術大学のMay-Britt Moser氏Edvard Moser氏の共同受賞となった。授賞理由は脳による場所認識システムを構成する神経細胞の発見(プレスリリース読売新聞NHKニュース毎日新聞)。

 John O'Keefe氏は1971年、ラットが部屋の特定の場所に行ったときだけ活性化する神経細胞「場所細胞(place cells)」を海馬で発見。場所によって活性化する神経細胞が異なることから、場所細胞が部屋の地図(認知地図)を作成していると結論付けた。

 May-Britt Moser氏とEdvard Moser氏は2005年、場所認識システムを構成する別の神経細胞「グリッド細胞(grid cells)」を嗅内皮質で発見した。グリッド細胞は座標システムを生成し、正確な場所認識や最適な経路の発見を可能にする。また、さらなる研究により場所細胞とグリッド細胞が場所を把握し、目的地へ導く仕組みも解明した。

 最近の調査では人間にも場所細胞やグリッド細胞が存在することが判明しており、アルツハイマー型認知症により空間記憶が失われる仕組みの理解につながることが期待される。これらの発見は、特化した細胞が協調して行う高度な認知機能の理解に関するパラダイムシフトを代表するものであり、記憶や思考、計画といった認知プロセスを理解するための新しい道を開いたとのことだ。

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