東芝、地熱発電でエチオピア電力公社と協業 機器の開発・供給から人材育成まで

2014年9月29日 16:29

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覚書を交わすエチオピア電力公社社長アゼバ・アスナケ氏(左)と東芝の藤田理事(東芝の発表資料より)

覚書を交わすエチオピア電力公社社長アゼバ・アスナケ氏(左)と東芝の藤田理事(東芝の発表資料より)[写真拡大]

 東芝は29日、エチオピア電力公社との間で、地熱発電事業の包括的な協業で合意、覚書を締結したと発表した。これに基づき、両社は、エチオピアにおける地熱発電事業や人材育成を共同で進めていく方針である。

 エチオピア電力公社は、同国国営の電力会社であり、地熱資源の開発から発電所の建設に至るまでの事業を担っている。東芝は、同公社との協業に基づき、これまで培ってきたノウハウを活かし、主要機器の開発・供給だけでなく、運転・管理に関するガイドラインの作成や人材育成に関する協力など、地熱発電全般にわたる幅広い分野で貢献していきたいとしている。

 エチオピアは、6000メガワット(600万kW)相当の豊富な地熱資源を有する一方、同国の既設の発電設備の90%以上は水力発電設備で、同国の電力需要の大部分は水力発電でまかなわれている。エチオピアは、建国50年に当たる2037年までに既存の発電設備2268メガワット(226万8000kW)を、37000メガワット(3700万kW) にまで大幅に増強する計画を進めており、その中でも地熱発電開発は大きな役割を担っている。

 東芝は1966年に日本で最初の地熱発電である松川地熱発電所(岩手県)に20メガワット(2万kW) の地熱蒸気タービン・発電機を納入して以来、北米、東南アジア、アイスランドなど世界各国に計52台、約2800メガワット(280万kW)の発電設備を納入し、世界トップの24%のシェアを占めている。
 
 同社は、引き続き世界各地で受注活動を展開し、地熱発電をはじめ、風力、水力、太陽光など多様な再生可能エネルギー発電事業に取り組んでいくことにしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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