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【菜々美のマーケットにつぶやき】衆議院選挙を睨んだ動き始まる
■すでに、次の衆議院選挙を睨んだ動きが始まっています、消費税10%はなんとしてもやりたいハラです
2014年9月、安倍改造内閣がスタートしました。政府自身もマーケットも、『アベノミクス第2章』という位置づけです。では、第1章と第2章は、どう違うのでしょうか。
まず、大きく違うのは株価位置です。第1章は日経平均でみれば9300円台でのスタートでしたが、第2章では1万5900円台です。第2章では第1章に比べ約7割も高い発射台です。この点は、今後の相場を見る上で楽観できないところです。
超金融緩和→円安→株高による心理効果と資産効果→景気回復→企業々績向上→株価上昇という好循環を狙った政策がアベノミクス第1章でした。この第1章の中で消費税8%を実施しました。
■アベノミクス第2章は高い発射台からのスタート
さて、第2章はどこに特徴があるのでしょうか。足元では、消費税の影響で4~6月のGDPはかなり落ち込み景気は黄色信号です。それでも企業々績が日経平均の1株利益でみてれば2015年3月頃の580円ていどが足元では1030円程度で推移し堅調です。この点は第1章と第2章の大きな違いです。マクロは黄色信号でもミクロは青色信号です。これが、日経平均の1万6000円近い高水準をキープしている最大の理由です。米国の金利引上げ見通しから、「円安」も第1章時点を上回っています。
こうしてみると、第2章の取組みは、マクロ面のGDP対策に尽きると思います。特に、消費税10%は財政改善の観点からなんとしてもやりたい、とくに、安倍内閣の支持率が50%を超えている高い間にやりたいというのがアベノミクス第2章の一番の取り組みだろうと思います。
ここで注目となるのが、第1章でマーケットに驚きを与えた異次元の金融緩和でしたが、第2章では追加金融緩和をどこで使うか。今のところ、どうも消費税10%引上げの前にはやりたくないようです。引上げ後の景気落ち込みの対策用としてやりたいように感じられます。
ですから、今は、追加金融緩和を温存しておいて、年金買いや景気に対するリップサービスで切り抜けようとしているように思えてなりません。
仮に、今の景気状態で消費税10%に進めば景気のダウンと株安は避けられないと思います。もちろん、突っ込んだところは狙い場になるとは思いますが、どのていどの突っ込みになるかは、まったく見通しがつきません。いずれにしても、大きな調整は覚悟しておく必要はありそうです。
もうひとつ、女性の目からみて、2年半先の次の衆議院選挙では安倍さんは立候補されないのではないかと感じます。総理は、今の任期中に燃焼し尽くされようとしているように思われて仕方ありません。総理はポスト安倍後の自民党政権が再び野に下ることがないよう、今度の改造内閣では、「地方創世大臣」を設け、自民党の票田である地方を強化されようとしているように思われます。
そのために、次期総理を狙う石破氏に「地方大臣」をやってみなさい、ということではないのでしょうか。地方創世に成功のメドがつけば安倍総理は身を引き、石破総理誕生でしょう。失敗すれば、やはり安倍総理しかいない、ということになるのではないでしょうか。
既に、2年半先の衆議院選挙の戦いは始まっているのではないでしょうか。(生活経済ジャーナリスト)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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