使用済み紙おむつを使ってキノコを栽培する実験

2014年9月7日 19:03

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記事提供元:スラド

eggy 曰く、 メキシコ・Autonomous Metropolitan Universityが使用済みの紙おむつを使い、キノコ(ヒラタケ)を栽培する実験を行ったそうだ(ニュースリリースGizmagの記事本家/.)。

実験では使用済み紙おむつをオートクレーブ滅菌してから粉砕し、リグニンを含む牧草やブドウの搾りかす、コーヒー、パイナップルのへたなどと混ぜ合わせて菌床を作った。ヒラタケの種菌を植え付けた菌床は温度と湿度の管理された暗い環境に2~3週間寝かせてから明るい場所に移す。ヒラタケは紙おむつのセルロースとリグニンを養分として成長し、2か月半~3か月後には紙おむつの重量が最大80%減少。1キログラムの紙おむつなら200グラムまで減少し、300グラムのヒラタケを収穫できるという。

実験には液体の排泄物のみを含む紙おむつを使用しており、滅菌処理により汚染物質や病原菌などは除去されている。研究者らはヒラタケの試食もしているが、成分分析の結果、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの量は流通しているヒラタケと変わらなかったとのこと。なお、実験の目的は食用のキノコを栽培することではなく、環境への負荷を減らすことだという。栽培したキノコは家畜の餌として使用でき、生分解されないポリエチレンやポリプロピレンはリサイクルへ、高分子吸収材は作物の栽培に役立てることができるとのことだ。

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