生理学研究所、脳が「光沢」を評価する指標を解明

2014年9月4日 22:49

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今回の研究でサルに提示した画像の例。ハイライトのコントラストと鋭さをそれぞれ4段階変化させ、明るさも3段階変化させた刺激を作成して、それぞれの刺激に対する神経細胞の応答を調べた(生理学研究所の発表資料より)

今回の研究でサルに提示した画像の例。ハイライトのコントラストと鋭さをそれぞれ4段階変化させ、明るさも3段階変化させた刺激を作成して、それぞれの刺激に対する神経細胞の応答を調べた(生理学研究所の発表資料より)[写真拡大]

 自然科学研究機構生理学研究所(NIPS)の小松英彦教授・西尾亜希子研究員らによる研究グループは、脳がどのような情報を元にして光沢を評価しているのかを明らかにした。

 これまで、光沢を評価する脳の仕組みは解明されていなかったものの、心理学実験ではハイライトのコントラストと鋭さによって光沢を知覚しているという結果が出ていた。

 今回の研究では、ハイライトのコントラストと鋭さを変化させた画像を作成し、それを見ている時のサルの下側頭皮質の神経細胞の活動を調べた。その結果、脳の神経細胞がハイライトのコントラスト、鋭さ、さらに物体の明るさを指標としていることが分かった。

 研究メンバーは、「今回の研究で、これまで明らかにされていなかった『光沢を評価するために脳が利用している指標』を明らかにしました。この結果は、ヒトと同じように光沢を認識できる機械を作ることにつながる成果だと期待できます。光沢は物の質感に影響する重要な性質なので、さまざまなモノづくり産業に役に立つ可能性があります」とコメントしている。

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