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理研、室温下でベンゼン環の炭素-炭素結合を切断することに成功
理化学研究所の侯召民(こうしょうみん)グループディレクター・島隆則上級研究員らによる研究グループは、多金属のチタンヒドリド化合物を用いることで、ベンゼン環の炭素-炭素結合を室温で切断することに成功した。
ベンゼン環を含む化合物の炭素-炭素結合を切断することは、天然資源からガソリンや基礎化学品として有用な化合物を生成するために極めて重要である。しかし、炭素-炭素結合は非常に安定しているため、室温での切断はこれまで成功していなかった。
今回の研究では、多金属ヒドリド化合物(チタンヒドリド化合物)を不活性ガスのアルゴン中におき、ベンゼンと混ぜ合わせることで、チタンヒドリド化合物とベンゼンが室温下で反応し、ベンゼン環の炭素-炭素結合が切断されることを発見した。また、同様の反応は、ベンゼンに炭素が1つ結合したトルエンにおいても観察された。
今後は、多金属化合物を用いた芳香族化合物の炭素-炭素結合の切断反応を応用した骨格変換や、官能基化を通した新たな物質変換反応へ展開できると期待されている。
なお、この内容は8月28日に「Nature」に掲載された。
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