オムロンヘルスケア、ブラジルでネブライザ生産・販売大手を買収

2014年9月2日 17:58

印刷

オムロンヘルスケアが買収するブラジルのネブライザ生産・販売大手NS Industria de Aparelhos Medicos Ltda.(NS)のWebサイト。

オムロンヘルスケアが買収するブラジルのネブライザ生産・販売大手NS Industria de Aparelhos Medicos Ltda.(NS)のWebサイト。[写真拡大]

 オムロンヘルスケアは2日、ブラジルのネブライザ生産・販売大手NS Industria de Aparelhos Medicos Ltda.(NS)の株式100%を取得することで1日に合意したと発表した。10月1日にすべての手続きを完了予定という。NS社の販売網を活用し、ブラジルでネブライザ事業と血圧計の売上拡大を図るという。

 同社はブラジルを注力国の1つとしてとらえ、2008年に営業拠点を設立。血圧計を中心に、事業を展開してきたが、複雑な輸入手続きや高い輸入税率などの障壁があり、事業拡大にはブラジル国内での生産体制の確立が必要であると考え、今回の買収に至ったという。

 NS社はブラジルで、開発、生産、マーケティング、販売、アフターサービス網を持ち、ネブライザ市場で約40%のトップシェアを持つ。2013年度の連結売上高は9,700万レアル(約45億円)。

 オムロンヘルスケアは今回の買収によって、輸入税のかからない現地生産による収益改善、在庫削減によるキャッシュフロー改善を図る。また、NS社の販売網を活用して、現在のブラジル市場での両社のネブライザシェア48%(オムロン8%、NS社40%)を、2017年度には55%以上に拡大し、ブラジルでの売上高を13年度の17億6,000万円から、2017年度には100億円以上を目指すという。

 ブラジルは、近年の経済成長が著しく、国民所得も、家庭用の医療機器市場が広がる目安である1万ドルを越え、今後市場のさらなる拡大が見込まれる。また、ネブライザが医療機関だけでなく家庭にも浸透しており、グローバルのネブライザ市場の約17%を占める世界最大市場となっている。

関連記事