伸び続ける車保有台数 渋滞解消には速度よりも車線増設が効果的

2014年8月13日 20:02

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記事提供元:エコノミックニュース

国交省は大都市を中心に高速道路の車線を増設する方針を固めた。東名高速では先行して2車線を3車線に増設。規制速度は60キロメートル毎時までだが、渋滞の回数は214回から18回にまで抑えることができた。

国交省は大都市を中心に高速道路の車線を増設する方針を固めた。東名高速では先行して2車線を3車線に増設。規制速度は60キロメートル毎時までだが、渋滞の回数は214回から18回にまで抑えることができた。[写真拡大]

 動かない渋滞にいらいらを募らせた経験は誰しもあるだろう。ゴールデンウィークや夏休みなど行楽に出掛けたつもりが渋滞で時間を食い、夫婦喧嘩になったという話もよく耳にする。国内の自動車保有台数は著しい増加を続けており、自動車検査登録情報協会の調べによると乗用車数は1970年は727万573台だったが、2013年には5935万7,223台まで増加している。予想を上回る自動車台数の増加に道路事情が追い付いていないという現状は、果たして解消されるのだろうか。

 国土交通省はこのほど、大都市を中心に高速道路の車線を増設する方針を固めた。現在2車線の渋滞が激しい区間を対象に、路肩スペースを狭めて3車線目を設置する予定だ。用地を捻出するには難しい区間でも対応することでき、尚且つ工事費も低く抑えることが可能だ。しかし路肩が縮小することで救急車などの緊急車両の走行が難しくなる。また故障や事故を起こした場合に一時待避する場所の確保も課題で、国土交通省は非常駐車帯を一定間隔で設置することで対応するとしている。

 高速道路の路線増設は、東名高速道で先行実施され、渋滞緩和への効果が確認されている。11年10月21日より、愛知県の音羽蒲郡インターチェンジ(IC)~豊田ジャンクション間の上り線約21キロメートル、下り線約15キロメートルにわたり、3車線の運用を開始した。一般の高速道路よりも車線や路肩の幅が狭くなり、約400m間隔で非常駐車帯を据えた。規制速度は60キロメートル毎時まで制限されることとなったが、渋滞の回数は大幅に減少した。11年の4月中旬から3カ月間で起こった渋滞は214回だったが、3車線目の増設後には18回まで抑えることができている。3車線目増設の検討対象に挙げられているのは、中央自動車道の調布IC(東京都)や関越道花園IC(埼玉県)、京葉道路の幕張IC(千葉県)などだ。

 また、東京都では一般道での渋滞対策にも取り組んでおり、交通量をセンサーで感知して信号のタイミングを操作する制御システムを導入するなどしている。渋滞対策の簡易トイレや渋滞回避に役立つナビゲーションツールなど関連商品の需要は高く、渋滞解消は多くの国民の願いでもあるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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